天使と悪魔の子


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ページに挟んであったメモ用紙が地面に落ちた


目が霞んで、上手くメモが拾えない


そのメモは美影の涙で少ししわしわしている


メモには、驚くようなことが記されていた


“もしかすると


宙は、私には手に届かない人


魔王の息子なのかもしれない


そうだとしたら納得が行く


もし、宙と私が結ばれたら


魔王は自分の孫に


神の血が流れることになるから


でも、私


宙がそのせいで


自分を犠牲にするようなことがあったら


私が私を許せなくなる


だから、


宙には秘密だけど


もしそんな時が来たら


喜んで彼に命を捧げます”


嘘だ


こんな、早くに気付かれていた?


「なんだよ……」


俺は堪えきれなくなって涙を流した


「結局、美影の思惑通りか」


あんなに、守りたかった彼女を


こんなに苦しめていた


俺の一言


ひとつの行動がこんなに彼女の中で生きていた


殆ど毎日、俺のことが書かれていて


それも全部俺のおかげだなんて書いてある


「違う…全部、美影がしたこと


君が俺にさせたことだよ


俺は君に心を奪われてから……


ずっと……」


それが逆に空回りして、彼女を傷付けた


まだ、日記は続いている


俺は美影を探して、更にまた、ページを捲った


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