初めてのズル休み
平日に、それも月曜日に突然暁さんの家に行ったことはない。
日曜日に会っているのに――。
咎めようとする自分もいるけれど、あの胸に甘えたいと思ってしまったらだめだった。
次の日も仕事だということを考えないことにして、定時と同時に京急に乗り込んだ。
「……ゆかり、どうした?」
当然の、想像通りの反応。
分かり切っているけれど、やっぱり喜びより驚きの顔だった。
真ん中で分けた長めの前髪、麻の白い洗いざらしのシャツにロングカーディガンが色気ダダ漏れだ。
つい、そんな色香漂う姿に目を奪われていると、もう一度暁さんの声がした。
「突然、それも月曜だろ。仕事はどうした」
その声は、どことなく責めているようにも聞こえる。
それに胸がチクリと刺激されて、つい可愛くないことを言ってしまった。
「突然来ちゃだめだった?」
「そんなことは言っていない。おまえが、平日に来ることなんてなかったろ? 家が近いわけでもないんだ。何かあったのかと思うのが普通だろう」
至極まっとうな意見にぐうの音もでない。
でも、もう少し嬉しそうな顔をしてくれてもいいじゃない。
やはり、こういう心がささくれ立っている日は、思い通りになんて行かないのだ。
何かを期待して癒されようとした自分の浅はかな思いは、いとも簡単に打ち砕かれる。