初めてのズル休み


それでも、オフィスに着けば雑念はすべて振り切った。

気付けば定時になっていて。
一体どれだけ、無心になって仕事していたのだろう。


「今日は瀬崎もいることだし、たまにはみんなで飲みに行くか」


定時のチャイムが鳴ったと同時に、主任がそんなことを言い出した。


「いいっすね。瀬崎が定時までいる日も限られてるし、親睦も兼ねて」


他の社員もそんなことを言う。


「どうだ、瀬崎」

「ありがとうございます。ぜひ」


確かに、同じ係ではあるけれど、こうして少人数で飲みに行ったことはなかった。
どうせ家に帰っても一人悶々とするだけだ。


「田中さんも行けるだろ?」

「はい。もちろん」


迷うことなく即答した。






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