fantasista 2






ー剛sideー






マキは思ったよりも上手だった。

柊とみどりの仲を逆撫でし、二人は明らかにぎくしゃくしていた。

みどりは柊から離れて座り、その隙に柊の隣をマキが陣取ってしまう。

まるで恋人のように柊に身を寄せるマキを見て、マキは本気なのかと思うほどだった。

……本気なのかもしれない。

俺にはあんな嬉しそうな顔をしない。

そう思うと、またまた怒りが沸き起こる。




どうして柊なんだ。

どうして俺じゃないんだ。

邪念を振り払うかのように首を振り、俺はみどりを見る。
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