fantasista 2







戸崎邸のリビングはすごい。

白いお洒落な吹き抜けに、アイランドキッチン。

まるで、デザイナーズ物件のようだ。

リビングの壁には戸崎の子供の頃の写真が飾ってあって。

そっくりの柚ちゃんといたずらそうな笑みを浮かべてこっちを見ている。

別の写真は昔の戸崎一家だ。

身を寄せ合った四人が、やっぱりにこにことこちらを見て笑っていた。





そんな幸せな子供時代の戸崎を見て……涙が頰を伝う。

戸崎はこんな家庭に生まれたから、まっすぐ育つことが出来たんだ。

優しくなれたんだ。

それに比べてあたしは……





「みどりなんていなかったら良かった」



「もう、二度と帰ってこなくてもいいよ」





忘れられない言葉が耳の中で反響する。

再び溢れた涙を、戸崎にバレないように拭った。


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