fantasista 2





「あんた、昔は可愛い顔してたんだね」



努めて元気に振る舞うあたしに、



「うるせぇよ」



ぶっきらぼうに戸崎は言う。

大丈夫、戸崎にはバレていない。




「柚ちゃんとそっくりだけど、あんたのほうがキツい顔してる」



「……文句あんのかよ」



「お父さんともそっくりだけど、あんたのお父さんのほうがイケメンだね」



「おい……」




戸崎はそう言って、あたしの手をぐいっと掴む。

そしてぐるっとあたしの向きを変えた。

不覚にも戸崎と向き合う態勢になってしまうあたしは、涙がバレないように目を細めて笑う。


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