fantasista 2
戸崎は何も言わず、あたしを抱きしめる腕に力を入れる。
その男らしい胸と力強い腕に抱かれると、安心する。
戸崎はあたしを好きでいてくれるんだと思って。
「……前言撤回」
戸崎は静かにあたしに言う。
「やっぱり、一緒に住もう。
お前はもう苦しまなくていい。
帰る場所があるんだから」
「……え?」
ぽかーんとするあたしに、戸崎は優しく告げる。
「俺は山形の味方だ」
その言葉に涙が出そうになった。
それをぐっと堪え、戸崎にしがみついた。