fantasista 2
「でも、多分普通の家庭だ」
そう言って、戸崎は口を噤んだ。
あたしの家が普通の家庭ではないからだ。
あたしはまた、戸崎に余計な心配をかけてしまったな。
そう思ったが……
「結婚前には、山形の家にも挨拶に行こうな」
奴は告げる。
その言葉に、
「けっ……結婚!?」
あたしは素っ頓狂な声を上げていた。
前にもこんなことがあったけど、戸崎はどこまで本気なんだろうか。
あたしはもちろん戸崎と結婚したい。