fantasista 2





「コスプレかよ」




そう言われると、自分の言葉が恥ずかしくなる。





真っ赤なまま俯くあたしの手から、彼はユニフォームを取り上げた。

そして、ご丁寧にTシャツを脱いで、ユニフォームを着る。

ユニフォーム姿の柊を見ると、あの時の感動を思い出してしまう。

そして、今日の試合でボールを蹴っていた姿も。

みんなは柊をかっこいいと持て囃すけど……




「今は戸崎選手をひとりじめだね」




あたしは笑顔で言う。




すごくすごく贅沢だ。

スタジアムを沸かせる戸崎選手をひとりじめだなんて。



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