fantasista 2






そんなピンク色のあたしたちだったが……





「あの……」




当然話しかけられた。




アスール東京の戸崎柊が知らない人から話しかけられることは日常茶飯事だ。

そして、今回もそうだと思っていた。







柊の前にいる女性は、ストレートの黒髪で。

少し頰を染めて俯いていた。

そんな彼女を、



「……桃華(ももか)ちゃん?」



柊は驚いた顔で呼んでいた。




「桃華ちゃん」



その声が、あたしの胸に突き刺さる。




柊は女性に興味はないなんて言っていた。

だけど、まさか……




目の前の桃華ちゃんは、柊が遊んでいた女の子とタイプが違う。

真面目で清楚な女の子だ。

もしかして、柊ってこういう地味な娘がタイプなの?

そうだよね、だってあたしを好きなんだし。


< 302 / 390 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop