fantasista 2





もやもやしているあたしに、



「何もねぇよ」



困った顔で柊が言う。

あたしの考えていることなんて分かってしまうのだろう。




「この子は藤井桃華。

オヤジの仲間の子供で東大生だ。

やべぇだろ」




ぽかーんと桃華ちゃんを見るあたしに、桃華ちゃんは頰を染めたまま頭を下げる。




真面目で清楚で頭もいい。

柊にはすごい知り合いが多いんだなぁ。

思わず桃華ちゃんに見惚れていると、



「桃華ちゃん!

俺、こいつと結婚することになった」



柊は笑顔であたしを紹介してくれる。

そんなあたしを桃華ちゃんはやっぱり頰を染めて見ていた。




桃華ちゃんはおとなしくて女らしい子なんだけど……柊が好きなのかな、と思ってしまった。

だって、柊を見る桃華ちゃんは、恋する乙女の顔をしていたから。



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