fantasista 2
「山形……」
戸崎はふらふらとあたしに近寄り……
「ごめんな」
切ない顔のまま謝る。
その少し掠れた甘い声がいちいちあたしの胸をくすぐるのだが……
「……酒臭い」
あたしは顔を歪め、戸崎を突き飛ばす。
それでまた腰がピキッと言って、患部を押さえて呻いた。
そして、息絶え絶えに伝える。
「あんた、朝から練習あるんでしょ?
……はやく行かないと!」
戸崎はあたしのことなんて気にしちゃいけない。
あたしの身体なんて大丈夫だから。
それよりも、あたしの心を気にして欲しい。
こんなに戸崎に惹かれ、離れられないんだから!