fantasista 2
あの時も上げるつもりなんてなかったし、今後も上げない。
だけど……少しの不注意で起こってしまったんだ。
あたしは剛君の力には勝てないし、夜中だから戸崎だと油断していた。
「ごめん……」
謝るあたしの頭を、ポンと優しく叩く戸崎。
こんな戸崎が大好きだ。
戸崎は目を細めてあたしを見て、
「教えてくれて、ありがとうな」
なんて言ってくれた。
そんな戸崎を見ると、正直に伝えて良かったと思った。
きっと、こういう信頼関係が大切なんだ。