365日、いつまでもふたりで
「竜!」



日曜日。
今日は何も予定がないので街をブラブラしていたら聞こえてきた声。



「…え?」



同じ名前ー?なんて思ってみてみるとそこには竜くん本人がいた。



「竜くん…?」



今日は休日出勤だって言ってたのに竜くんは私服で。
そして、たしか経営企画の流山(ナガレヤマ)さんといる。
そういえば2人は同期だっけ。


会社ではではそんなに仲が良く見えない2人が休日に一緒にいることもそうだし、竜くんを下の名前で呼んでることにもびっくりしてる。



「仕事だって言ってたのに」



嘘をついてまで流山さんと会うってことに、信じていたものが一瞬にして崩れる。
信頼なんてあっという間。



「まだ付き合って全然経ってないのに」



少し照れたように流山さんを見る竜くんに本当はあたしじゃなくて流山さんを好きなんじゃないかと思えてくる。

こんなこと思いたくないのに。
あたしは竜くんを好きになってしまったから。

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