365日、いつまでもふたりで
「茜、これ頼んでもいいかな?俺、出なきゃならなくて」



ブースに戻ると、元太が大慌てでジャケットを着ていた。



「大丈夫だよ。なにかあったの?」


「うん。取引先でトラブルあったみたいで」


「そっか。気をつけてね」



最近、元太は特定の取引先を任されたりと忙しそうだ。



「さんきゅ」


「あ、元太待って」


「ん?」



あたしはカバンから非常食用のお菓子の袋を出す。


「昼ごはん食べてないんでしょ?車でつまみなよ」


「おーありがと。助かる」



ふわっと笑う。



「あとネクタイ曲がってる」



きゅっと彼のネクタイをまっすぐに直す。



「お。ありがと。頑張れる気がするわ」


「大げさー。頑張ってね」


「おう。それ、頼むな!」



あたしに片手をあげて走ってブースを去っていく。

元太が同期のなかでは1番の出世株だから。
元太には期待してるんだ。
同期の頑張りはやっぱり励みになる。



「負けじと頑張るぞー」



なんて気合を入れて、竜くんを楽しみに仕事を頑張る。

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