愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「わかりました、ノンアルコールですね! すぐお持ちします!!」

「あぁ、頼む」

口調はやっぱり素気ないけど、それは照れ隠しじゃないかって思う。だって今の副社長の頬は、ほんのり赤く染まっているから。


緩みそうになる頬を必死に堪えながら、飲み物を配り歩いているボーイの姿を探し歩いていると、少し離れた場所に見つけ駆け寄り、ノンアルコールのシャンパンをふたつもらい、副社長の元へ向かったものの……。

「あれ……え、嘘!?」


見えてきた光景に足が止まってしまった。だってあれほど挨拶できずにいた緒方社長と副社長が話をしていたのだから。

壇上で挨拶したときのように、笑顔の緒方社長とは違い、副社長の表情は硬い。

そんな姿を見てしまうと、心配でたまらなくなる。戻っても邪魔になるだけだし、ここは遠くから見守るべきなのかもしれないけど……。

手にしていたシャンパンふたつを見つめてしまう。


私が割って入って、ふたりにこのシャンパンを渡して。そうすれば少し副社長の表情も和らぐかもしれない。

やらかす秘書だって副社長も認識しているだろうし、話しているのに気づきませんでしたで通るよね?

そう思い、再び歩を進めていく。
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