愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
現に私たちが入社当初就いていた秘書はクビにされ、先月新しく就いた秘書もまたクビになったとは……。


「まぁ、よく知らない新入社員の私たちから見ても、副社長の秘書って大変だろうなって思っちゃうよね」

「……うん」

イケメンで仕事もデキるオールパーフェクトな人だからこそ、彼の秘書を務めるのは大変だと思う。

なにより副社長は、本当にニコリともしない。

淡々としていて必要以上話をしないし、なにを考えているか読めない。


彼の秘書として一緒に仕事をすることを考えたら、息が詰まりそうだ。窒息死してしまうに違いない。

どんなに次々と秘書がクビにされようが、それでも彼の秘書になりたい女子社員は大勢いる。


秘書といえば常にそばにいられるわけだし、彼のファンならなりたい!って思って当たり前なのかもしれないけれど、私は到底なりたいと思えない。……それ以前に私みたいな人間がなれるわけもないけど。


副社長のことを色々考えてしまっていると、紗枝は急に身を乗り出し、どこか楽しそうに話しかけてきた。
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