愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
あまりにいつも通り過ぎて、昨日の彼は幻だったのかもしれないと思うほど。けれどやっぱり幻ではない。だって私、ちゃんと覚えているから。

彼のぬくもりも、かけてくれた言葉もすべて。思い出しただけで胸が鳴ってしまうほどに。

おもむろに胸元に手を当てると、早鐘を鳴らしていた。


けれどすぐに首を横に振る。今は仕事中! ドキドキしている場合じゃないと自分に言い聞かせ、午後の勤務にあたった。

それから約一時間半後。受付からの内線が鳴った。聞くと副社長に来客だと。すぐに「伺います」と伝え、席を立ち受付のあるエントランスへと向かったんだけど……。


「あれ、え? なに? お前ここで働いていたのか!?」

受付にいたのは、麻生さんだった。まさか副社長の来客が麻生さんとは夢にも思わず、固まってしまう。

けれど向こうも私がここで働いていることに驚いている様子。

「しかもなに? お前が迎えにきたってことは副社長秘書なわけ? アホ美が? マジかよ、大丈夫なわけ? ここの会社」
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