愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
ただでなくとも副社長は忙しい人なのに。自分のことで時間を使わせてしまったことが、ただ申し訳なく思ってしまう。

なのに副社長は否定するようにゆっくりと首を横に振った。

「昨日、目の当たりにした俺の腹の虫も収まらなかったし気にするな。俺が勝手にやったまでだ」

「副社長……」

そこは「感謝しろよ」って言ってもいいのに。どうして副社長はこんなに優しくしてくれるのだろう。

「それで? 俺はまったく納得できなかったけど、お前はあれですっきりしたのか?」

「あ、はい。……副社長のおかげでやっと前に進めそうです」

ちゃんと麻生さんに自分の気持ちを伝えることができたから。驚くほどすっきりしている。それは副社長のおかげ。


「チャンスを作ってくれた副社長には感謝してもしきれません。……本当にありがとうございました」

笑顔で伝えられる。心の底からそう思っているから。

すると副社長は目を見開いた後、なぜか視線を泳がせると、ポツリポツリと話し出した。
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