愛され任務発令中！～強引副社長と溺甘オフィス～

「ふん、まぁいい。好きにしろ」

腕を組み余裕ありげな笑みを見せる代表だけれど、副社長は至って冷静。
「ありがとうございます」と小さく頭を下げた。


「でもいいか、父さんは怒っていることを忘れないことだな。そのうちお前をギャフンと言わせてやるから待っていろ！」

とんだ捨て台詞にさすがの副社長も目が点状態になる。もちろん私も。

けれど代表は決まった！　と思っているのか得意気な顔をしている。


さっきまで様子を窺っていたエレベーター待ちしていたうちのひとりが、我慢できず「ブッ」と噴き出してしまった。

あぁ……！　噴き出した人の気持ちは痛いほどわかるけれど、それは堪えないと！


いやでも、イマドキ「ギャフンと言わせてやる」は……うん、ちょっと冷静になると笑ってしまうかも。


口元に手を当て私も笑いを堪えてしまっていると、副社長は呆れたように大きく肩を落とし、代表に冷めた目を向けた。

「なにを言い出すかと思えば……くだらない」

「なっ……！　くだらないだと!?」