愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「大人になっても父親になっても、歳をとってもお変わりないんですから。だから副社長があぁなってしまわれたんでしょう」


溜息交じりに話す彼に、目を見開いてしまう。


だって田中さんも副社長に劣らないくらい、いやむしろ元祖パーフェクト人間。そんな彼もこんな風に愚痴を零したりするんだと思うと、新鮮で不思議な感じがしてしまうから。


ついまじまじと田中さんを見つめてしまっていると、さっきまでエレベーターに向かって指差していた代表が目の前まで来ていて、私を見るなり目を輝かせた。


「おぉ! 小山さん!! おはよう。ちょうどよかった!」

「――え、キャッ!?」

さっきまであんなに怒りを露わにしていた代表は上機嫌になり、私の背中をグイグイ押してきた。

「エレベーターもきたところだし、早く行こう。キミに大事な話があるんだ」

「え、大事な話って……あの!」

一方的に言うと到着したエレベーターに押し込まれてしまった。

そして代表と田中さんも乗り込み、定員になるとドアは閉じられ上昇していく。
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