愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
ここ? 彼の指差す場所。それは和幸くんの膝の上だった。

「む、無理ですよ!」

だってここは和幸くんの実家。すぐ一階のリビングにはふたりがいるというのに。

全力で拒否するものの、彼は「いいからおいで」と言いながら私を呼ぶ。

そりゃ私だってここが和幸くんのマンションか、私の家だったら迷いなく向かうところだけど……。

「ほら、菜穂美」

けれど甘い声で呼ばれてしまうと、決心も揺らいでしまう。

「大丈夫。急に部屋に入ってきたりしないから」

最後のだめ押しの一言に完全に決心は鈍り、手招きされるがまま彼の元へ向かう。

そして和幸くんの膝の上に座ると、すぐに「捕まえた」と言って抱きしめられた。

すっかり安心できる場所になってしまった彼の胸の中。

優しく背中や髪を撫でられてしまうと、猫のように甘えたくなり体重を預けた。

「母さん、全然大丈夫だっただろ?」

「……はい」
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