愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
思いが込み上げてきてしまい、涙が溢れそうになるのを唇を噛みしめ、必死に堪える。

泣いたって仕方ない。だって私が自分で行かせたんじゃない。仕事を優先してほしいと思ったから。だったら泣くのは間違っている。

小さく深呼吸をし、早く家に帰ろうとしたとき、前方から走ってきた人に気づかずぶつかってしまった。

「キャッ!?」

「すみませんっ!」

どうやら相手は急いでいるようで、一度立ち止まり謝るとすぐに走り去っていった。

「いたた……」

ぶつかった肩が痛い。でも立ち止まって周りを見ていなかった私も悪いよね。


ぶつかった拍子に落としてしまったバッグを手に取り、最寄り駅に向かって歩き出してすぐ、私を呼ぶ聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「あれ……? 菜穂美ちゃん?」

足を止め振り返ると、そこには美和子ちゃんと、佐々木さんの姿があった。

「あ、やっぱり菜穂美ちゃんだ! どうしたの? こんなところで」

私だとわかると、美和子ちゃんは駆け寄ってきた。
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