愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
頭ではそうわかっているのに、心がついていかない。

本当はそんな風に割り切れていない。他の人とキスなんてしてほしくなかった。それに対して『仕方ないだろ?』って言われてカチンときちゃったし。


私以外の人が和幸くんに触れるのなんて嫌。私以外の人を助手席に乗せてほしくない。ふたりで飲みになって行ってほしくなかったっ……。


溢れる感情は醜いものばかり。

だって本当は今日、和幸くんのマンションに行って十二時を過ぎて明日になったら、ふたりでお祝いする予定だったから。


「せっかくの一年記念日だったのに、な」

記念日が土曜日だと知ってずっと前から、ふたりでお祝いするのを楽しみにしていた。

思わず立ち止まり、バッグの中を見てしまう。

なにか渡したくてこの前の休日、紗枝に付き合ってもらい購入したネクタイピン。

日付が変わったとき、渡したかったんだけどな。
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