愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「言われなくても連れていく。……美和子、助かった」

和幸くんにお礼を言われると、美和子ちゃんは顔を綻ばせた。

「どういたしまして。お兄ちゃん、ゴチになります。菜穂美ちゃん、またね」

「私までごめんね。菜穂美ちゃん、また今度ゆっくりね」

「あ……ありがとう! 話を聞いてくれて」

手をひらひらさせて見送ってくれたふたりにお礼を言い、和幸くんに腕を引かれ店を後にしていった。



「あの、和幸くん……っ?」

腕を引かれるがまま歩道を突き進んでいく私たち。その間、彼は一言も発していない。

彼の大きな背中に声をかけても、なにも答えてくれない。やっぱりまだ怒っている?


不安が募る中、見えてきたコインパーキング。そこには見覚えのある車が駐車されていた。車の鍵を開けると私は助手席に押し込まれた。

「シートベルトしめて」

「は、はい」

支払いを済ませると素早く運転席に回り込むと、和幸くんもシートベルトをしめ車を発進させた。

音楽のかかっていない静かな車内。……非常に気まずい。
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