愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「社員にはあいつがクビにしていると噂になっているようだが、実際は違う。幸和の秘書をやっていく自信がないと言って、自ら辞めていかれているんだ」

「そう……だったんですか」


「小山さんも周知しているかと思うが、あいつはとにかくなんでも完璧にやらないと気が済まない性質(たち)でね。仕事に関しては容赦ない。自分にも他人にも。……だからこそ、その、まぁ……あまりの厳しさに耐え切れなくなって、みんな辞めていっていると言った方が正しかな……」


代表の引きつる笑顔に、作り笑いさえできなくなる。

ずっと副社長の秘書に就いた人たちは、彼にクビにされてきたものだとばかり思っていた。

それがまさか自ら辞めたいと申し出ていたなんて……!


それになに? みんな副社長の秘書に就きたくて火花をバチバチと散らしているというのに、自ら辞めたいって思うってことはちょっと……いや、かなり副社長の秘書という仕事はハードで辛いってことだよね?

そこに考えが行きつくと、サッと血の気が引いていく。
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