カクシゴト
舞桜が出ていった後、
私は部屋でぼーっとしてた。


今の私にとって、
舞桜はお兄ちゃんみたいな存在で、
知り合ったのは数日前だけど、
私は確かに信頼してた。


だからこそ、少し驚いてるのかもしれない。


友達がいなくなった気分。


「ゆ、夕依にめーるっ」


_夕依、今暇だったら出かけない?

_ええっちゃけど、どうしたん?

_相談したいことがあって…

_先生の事だったら聞くっちゃけん、
家行けばいい?

_先生のこと…ではないかな…。
うん、まってる。


会話が終わったあと、携帯を閉じて、
誰もいなくなった部屋の天上を見る。


「私、舞桜にキスされてばっかだ…。」


ファーストキスなのに…。

まぁそんなこと考える間もなく
二回目もされたけど…。

_______


「これって、やっぱ私が悪いのかなー!?」

「う〜ん…、秋桜は悪くないとは思うっちゃけど…。」

「でも、私がもっと嫌がってたら、
もっと気をつけてれば、防げたことじゃない…?」

「ん〜
そう言われたらそうかもって思うけど、
もしそれが自分やったら
抵抗とか考える時間ないて思うけどな…」

「そうかな…」


悪いとか悪くないとか、
好きだからとか嫌いだからとか、
そんな事どうでもよかった。


「キスって、
好きな人としかしないものだと思ってた…。」

「好きだからよ!」

机に手を置いて、音をたてながら
勢いよく立ち上がった夕依は、私を見下ろす。

「舞桜君は秋桜が好きゆう発想は無かったん?!」

「はいっ?」
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