ずるい男 〜駆け引きは甘い罠〜
話しかければ、頬を染め緊張からか、吃る初々しい反応に笑みが溢れていた…
恋愛対象外だった女子高生が、大人になって今、目の前にいる。
明らかに好意をよせている視線に、彼氏付きだとわかっていながら浮かれて、友人との会話に若干ハイテンション…
そんな峯岸と違い、ソワソワと時計を気にする女2人が目に入る…
店内にいる客は、彼女らと峯岸以外もういないからか…会計をして帰ろうとしていた。
『…じゃあ、また』と社交辞令的な挨拶をする美姫にまたがあるのかと複雑に思っていた時、連れの女が男から連絡がきたとさっさと外に出てしまい、1人、美姫が取り残されその場に留まった瞬間、このまま別れるのが惜しいと思っていた。
引き止める方法はないのだろうか?
男がいる女を引き止めてどうしたいんだ?
友人と自分との会話に笑う美姫を見ながら、もう少しだけ一緒にいたいと思っていた時、迷走していた峯岸の背中を押すようにチャンスが到来した。
美姫が1人きりになる…
浜田より先に美姫に出会っていたのは自分だ。
先に再び巡り会えていたら…そんな後悔から行動を起こさずにはいられなかった。