神木部長、婚姻届を受理してください!
「ありがとうございます。でも、私、〝女の子〟じゃないですっ」
「え? なんだ、立川は男だったか?」
知らなかったな、と面白そうに笑う神木部長に私の頬は段々膨らんでいった。
「そうじゃないです!そうじゃなくて、私は〝女性〟です!〝女の子〟じゃなくて〝女〟ですから!」
私の言葉に、神木部長は口をポカンと開けている。
「そうやって、子供扱いしないでください」
ふん、と体を180度回転させた私は、どすどすと地響きでもしそうな勢いで部長室を出た。
部長は、いつも私を子ども扱いする。確かに、年齢はひとまわりも離れているけれど、それでも、私は二十歳を超えた大人だ。それなのに、年齢差のせいか、私の何度したかわからないアピールも告白も、部長は本気で受け止めてはくれない。
部長が、いつまでもこうして私の気持ちを受け止めてくれないのなら、私はこの恋を実らせることも、終わらせることもできない。
「香織さーーん」
「何? 部長に何か言われたのかしら?」
パソコンのモニターと睨めっこをしていた香織さんの席に寄る。すると、香織さんはモニターから視線を私に移した。