今年の夏もキミを想う…。
「やったー。“コッコ”のしゅうくりーむ」
起き上がって嬉しそうに手を伸ばす和果子に、宮崎は呆れたような目を向ける。
「なによ、その顔」
「さっき、食べ過ぎて苦しいって言ったばっかだろ……」
「デザートは別腹って言葉知らないの?」
返す言葉がなかった。
美味しそうにシュークリームを頬張る和果子を横目に、宮崎はウーロン茶のコップに手を伸ばす。
持ち上げたとき、中に入っていた氷が、カランと涼しげな音を立てた。
「宮崎はさ、宿題終わった?」
「ん?まあ、ぼちぼち……」
和果子のさりげない問いかけに宮崎が曖昧に答えると、先程までシュークリームで幸せそうに緩んでいた表情が一気に引き締まり、呆れたような視線を向けられた。
「終わってないんだ」
「………」
またもや、返す言葉がない。