今年の夏もキミを想う…。


「なに?」


ジーッと見つめていた視線に気がついたのか、ジト目でこちらを見返す和果子に、宮崎は恐れをなして何でもないと首を振る。

辺りを見回せば、焼きながら立ち食いをしている人に、シートを敷いた上でくつろいでいる人など皆様々で、宮崎は校舎の壁に沿うようにして作られた、レンガを積み重ねた花壇の淵に腰を下ろす。

和果子も、黙ってその隣に腰を下ろした。

何も植えられていない花壇には、雑草が伸び放題になっていて、そこかしこで小さな花を咲かせていた。


「それ、なに?」

「レモンジュース。飲む?」


何気なく発した問いに、和果子も別段気負うこともなく、持っていた紙コップを差し出す。

そのまま自然な流れで受け取ろうとした宮崎は、紙コップに指先が触れる直前でハッとした。
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