今年の夏もキミを想う…。


「飲み物も食べ物もいっぱいあるから、みんな遠慮しないでね」

「飲み物いってない人いるー?」

「お肉ー!お肉がまもなく焼けますよー」

「先輩、コーラでいいですか?」

「後輩だからって遠慮するなよ!育ち盛りだろ?いっぱい食え」


お昼を過ぎた頃から始まった交流会は、途中から合流してくる卒業生や在校生も含めて、かなり賑やかな様子をみせていた。

校庭には肉の焼けるいい匂いが漂い、そこかしこで思い出話や人生相談、近状報告などに花が咲いている。


「はい宮崎、コーラ。お肉は競争率が高すぎてあんまり取ってこられなかったから、代わりに野菜大盛りにしといた」

「ああ、うん……サンキュー」


手渡された紙皿には、宣言通り野菜がこんもり山になっていて、その脇に申し訳程度に肉が盛られている。

チラリと和果子の皿を伺えば、そこには宮崎よりやや少ないくらいの野菜が盛られていて、その脇に見える肉が心なしか多いように見えた。
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