今年の夏もキミを想う…。
「結局、高校進学を期にこの村を離れたら、そのまま大学に行ったり、就職したり……何やかんやで、そのまま戻ってこない人の方が多いって。やっぱり」
「この様子じゃあ、里帰りする人も少ないんだろうな」
「年々減って来てるって、聞いた」
交流会の知らせを受けて集まったのは、ひとクラスに十分収まってしまえるほどの人数。
帰って来ない者の中に、彼女も混じっている事を思うと、余計に寂しさがこみ上げた。
遠い目をする宮崎を、和果子が寂しそうな瞳で見つめる。
そこに
「やあーふたりろも!たのしんれるー?」
しんみりとした雰囲気をぶち壊す勢いで、やたらハイテンションな高知が乱入してきた。
「ちょっ、先輩!?酔ってるんですか……?」
「え?お酒なんてなかったと思ったけど……」
来てそうそう、ぐでんと寄りかかってきた高知に、宮崎は慌てて紙コップと皿を安全な場所まで遠ざける。