俺様ドクターに捕獲されました
でも、もう無理。
いつも振り回されてばかりだったけれど、私が泣いていたり困ったりすると必ず助けてくれる。
俺様で、傲慢で、私の都合なんてお構いなし。だけど、誰よりもかっこいい、私のヒーロー。
「抱き合ってた? なにかの間違いでしょ。大方、転びそうになったのを支えたとかそんなオチ……あ、ちょっと。その顔はやばいな。そろそろ来そうだし、ちょっと外出ようか」
菅谷先生が井坂さんたちに声をかけて、私の腕を引いて立ち上がる。酔っ払っているせいでふらついている私の腰を、たくましい腕が支えてくれた。
外に出ると、冷たい風が火照った頬をなでる。それが心地よくて、ほうっと小さく息を吐く。
そんか私をじっと見ていた菅谷先生は、呆れたようにため息をついた。
「無防備だなぁ。無自覚さんは、これだから困る。君、俺がいなかったら間違いなく松浦くんにお持ち帰りされてたよ。本当、危ない子だね」
「危ないって……なにがですか?」
言葉の意味がわからなくて見上げると、菅谷先生は困ったように眉尻を下げた。
「涙目で頬を染めて見上げてくるその顔もね。だいたいね、天野さんて“ちょうどいい”んだよね。かわいい顔してるし、スレてないっていうか染まってないっていうか。なんかそそるんだよね。手の届きそうなかわいさってやつ?」
「なんか、バカにされてる気がするんですけど」