俺様ドクターに捕獲されました
それにしても、高そうなマンション。コンシェルジュさんもいるし、スーパーに、薬局。スポーツジムやクリニックも入っている。このマンションの中だけで、生活することにはなにも困らなそうだ。
こんなところに住んでいる人、本当にいるんだな。感心しながらエレベーター乗って、三十階で降りる。
部屋の番号は、『三〇一五』だよね。たどり着いたその場所は、一番奥の角部屋だった。
さすが、佳乃さんの知り合い。やっぱり、セレブだ。いったい、どんな人なのだろう。
あまりの緊張に指を震わせながら、部屋のインターホンを押す。それとほぼ同時に、玄関の扉が開いた。
まるで待ち構えていたようなタイミングに、驚いて一歩後ろに下がる。
玄関から顔を出したのは、背の高い男の人。くっきり二重のアーモンド形の瞳が印象的な、彫りの深いとても整った顔立ち。
少し長めの髪が瞳にかかっていて、少し伸びたヒゲがワイルドな雰囲気を醸し出している。
信じられないくらいの、いい男。だけど、私は違う意味で信じられない気持ちでその人を見つめていた。
うるさそうに瞳にかかる髪をかきあげたその人が、呆然と立ち尽くしている私を見てニヤッと笑った。
大きめの口から覗いた赤い舌が、艶めかしく動く。肉食獣を思わせるその人が、長い腕を私に伸ばした。