俺様ドクターに捕獲されました
中に入った途端、彼が私の手を握った。そのままベッドサイドまで進んでいき、少しだけベッドを上げて身体を起こしているおばちゃんの横に立つ。
おばちゃんは、先週見たときよりもずっと具合が悪そうだった。顔色も悪く、前回はしていなかった鼻にカニューレという酸素を送る管をつけている。
ひどく辛そうだが、私と優ちゃんを見るとニッコリと笑顔になった。
「あ、里衣子ちゃんも一緒なの。あら……?」
手を繋いでいる私たちに気がついたおばちゃんが、パアッと明るい笑顔になった。
「ご心配おかけしましたが、無事に恋人になりました」
「なりました」
「まあ! よかったわね、優ちゃん。昔から里衣子ちゃん一筋だったものね。やっと思いが通じたのね。じゃあ、魔法の言葉……もらったの?」
「うん、もらった。おばちゃんの言う通りだったよ。本当に魔法みたいだった」
その言葉をもらったときのことを思い出して、自然と笑みがこぼれる。そんな私を優しい目で見つめていた彼が、いつもの自信に満ち溢れた笑顔になっておばちゃんに向き直る。
「ま、俺はケチな頑固親父と違って、これから何回もりいに伝えてやるけどな。親父も、もっと言いたがってるかもよ。あと、あの親父より俺の方が全然いい男だよ」
「あら。私にとってはあの人が世界一のいい男よ。優くんは、二番目ね」
「そりゃ、光栄だ」