俺様ドクターに捕獲されました
「で? どうした?まあ、十中八九、優絡みだよな。あいつ、なにしての?」
「……別に、なにかされたわけじゃない。お兄ちゃんも、優ちゃんの病院のこと知ってたの?」
「ああ、経営こと? そりゃ、俺、あの病院の担当だからな。優からもいろいろ相談されてる」
「そう、なんだ……」
「おじさんは腕はいいけど、経営の才能はないからな。このままいったらヤバイ感じだったんだけど、あの野郎、ひとりでなんとかしやがって。本当に優秀すぎてムカつく奴だよ。俺よりいい経営案出してくるしな」
「なんとかって、それって……大学病院の娘さんと結婚するから?」
あの人が言っていたことは、そういう意味なのだろうか。驚いたように目を見開いたお兄ちゃんが、ふっと表情を緩めた。
「へえ、お前が今にも死にそうな顔で歩いてたのはそのせいか。大学病院の娘って、あの化粧の濃い女医さんだろ? あんなの、優が一番嫌いなタイプじゃねえか」
「で、でも……。その人に言われたんだもん。今日、一緒に食事をして今後のことを決めるんだって。近々、婚約するって……。それに、私には関係ないって、なにも話してくれなかったし……。その人には話してたみたいなのに」
「……あいつは、気持ちはわからなくもないが、なにもかも裏目に出てんじゃねえか。それに、その女医もなかなか。本当、優は昔から女のあしらいがヘタクソだな」
呆れた顔をしたお兄ちゃんが、シートベルトをしてギアをドライブいれた。