俺様ドクターに捕獲されました
「俺、このまま直帰だから。実家にでも寄って行こうかと思ってたんだが、とりあえず家に行くぞ。邪魔はしないって約束したけど、緊急事態だからな」
とても楽しそうに笑ったその横顔に、ゾゾッと肌が粟立つ。なんか、どす黒いオーラが見えるんですけど。成り行きとはいえ私、頼る人を間違ったかな。
「ところで、里衣子。お前、優の今も一緒に暮らしてるんだよな?」
「うん」
「ふーん。じゃあ、当然いくところまでいってるんだよな?」
「は?」
「身体の関係があるんだろって、聞いてんの」
なっ! きゅ、急になに言い出すのこの人。そんなの、なんて答えればいいのよ。実の兄とそんな話をするなんて、気まずすぎる。
真っ赤になったまま固まっている私を横目に見て、お兄ちゃんは目を丸くした。
「その反応……嘘だろ? ないのかよ。一緒に暮らしてて?」
「だ、だって、優ちゃん忙しそうだったなら。いや、単純に私に魅力がなかったのかもしれないけど……」
「それはないから、安心しろ。あの男は、どんだけ真面目なんだよ。最後に意地悪してやろうかと思ってたのに、そんなの聞いたらできないじゃねぇか」
シュンとする私の肩を、どす黒いオーラの消えたお兄ちゃんがため息をつきながら軽く叩く。