俺様ドクターに捕獲されました


「ど……して。あの人は? 私じゃなくて、あの人を選んだんじゃないの?」


「そんなわけないだろ。お前が生まれてから二十八年間、よそ見もせずにりいだけを思ってきたんだ。他の女を、選ぶわけない」


彼の言葉にホッとして、身体から力が抜ける。


へたりこみそうになった私の身体を、彼が抱き上げた。そのままリビングに向かった彼が、私をソファに座らせて肩を抱いてくれる。


「病院のこと、話さなくて悪かった。別に、りいを信用してないとかそういうわけじゃないんだ。単なる俺の意地。りいには、余計な心配かけたくなかったし、かっこ悪いところも見せたくなかった」

「……あの人には、相談してたの?」

「そんなこと言われたのか?」

「うん、私じゃ役に立たないから話せないんだろうって。だから、私から別れてあげろって、言われた。だけど、私……別れたくなくて……別れないって啖呵きっちゃったんだけど、それで病院が潰れちゃったらどうしようって……」


「りい……。くそっ、あの女、いつか社会的に抹殺してやる。どっかで噂で聞いたのを、さも俺に聞いたように話しただけだろ。俺が、変にりいに隠してたから、不安にさせたな。本当に悪かった」

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