俺様ドクターに捕獲されました
美男美女のふたりが並んだ姿は、神々しいほどにお似合いだ。ツキリと痛んだ胸の痛みを無視して、菅谷先生に並んで歩き出す。
「……気になる?」
唐突な質問に顔をあげると、明らかに面白がっているニヤけた顔が私を見下ろしていた。
……ああ、あなたもですか。
さっき、彼のまわりにはアクの強いタイプの女性が多いと思ったが、なぜだか私のまわりには性格にクセのある男性が多い。
そして、なんの因果か私の望む“普通の人”は、親しくなる前に逃げて行ってしまうのだ。
「なりません。あの人が誰とどうなろうと、私には関係ありませんから」
「あれ? 婚約してるんじゃないの?」
「婚約はおろか、付き合ってもいませんけど」
「えっ! ……えー、へー、そうなんだ。ふーん、それはそれは。これから楽しくなりそうだな」
「おもしろがってますね。顔、ニヤけすぎですよ」
ニヤニヤが止まらないらしい菅谷先生にそう指摘すると、彼はしまったというように手で口を覆った。が、全然隠しきれていない。というか、隠そうとしていない。
やっぱりこの人、なかなかいい性格をしている。
「いやー、あいつでも思い通りにいかないことあるんだな、と思ったら楽しくて。でも、ここではヘタに否定しないほうがいいよ。みんな君を優の婚約者だと思ってるから。そのほうが、いろんな意味で君のため。特に、あの“女王様”には気をつけて」
「女王様?」
「さっきの女医さん。なんか嫌味言われてなかった? すごい陰険な顔してたわ。あれじゃ、いくら美人でも男が逃げてくな。鏡見ろって感じ」