パンドラ～隠された愛～
「こんばんわ。めぐみです。宜しくお願いします。」と、挨拶してきた。

めぐみはすぐに慣れた手付きでグラスについた水滴を拭きとると、宮部が取り出したタバコに火をつけ始める。


「ん、ありがと。めぐみちゃんも何か飲みな。」


宮部はめぐみにドリンクを勧める。もちろんそのドリンク代は宮部の料金に加算されるが最初の一杯くらいはご愛嬌といったところだ。


ただ、ゆいの時はあきらか未成年だとわかっていたので勧めることはしなかった。


めぐみは「有難うございます」と告げるとボーイに紙を手渡す。


数十秒で綺麗な水色をしたカクテルをもってきた。


「めぐみちゃんは今日イブなのに仕事頑張るね。」


「最近彼氏にふられちゃったんですよ。」


少し寂しそうな表情をしながら言うその姿は正に仕事慣れしているのを伺わせた。

< 28 / 125 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop