彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「戦うふりをして、負けるふりをしてくれればいい。」
「僕が?」
「そうだ。すぐに縄がほどけるように、きつく縛ったふりをする。俺が勝った時点で、小林涼子は金庫から出すようになってる。お前は気絶する振りをしていてくれ。俺が小林涼子を出した瞬間に~」
「涼子ちゃんを僕が連れて逃げればいいんですね・・・!?」
「俺が手術できる年齢になるまで4年はある。金も・・・豪遊はあきらめる。命の方が大事だからな。」
「関山・・・・関山さんなの、関山君なの、この場合?」
「軒猿でいい。関山さんだったら、他人行儀でいけねぇ。」
「他人行儀って。」
「どうも、お前は俺が退治してきたヤンキーや悪たれ共とは違うらしい。」
「・・・聞いたよ。いじめられてる子から報酬を受け取って、代わりに駆除していたんですよね?」
「最低金額が税込みで298円だったな。」
「え!?意外と低い!?」
「小遣いも取られ、売れそうなもんを売らされて、親の財布からも金を抜かされて・・・それだけしか残ってなかったんだってよ。」
「君・・・優しいんだね・・・」
「ばーか。金のためにしてんだよ。宣伝料だと思えば安いもんだ。取れるところからとればいい。」
そのお金なら私でも頼めるな。
(って、何考えてるのよ、凛!?)
そう考える自分に気づき、恥ずかしくなる。
(自分のことは自分で解決しなきゃダメじゃないの!?)
とはいえ、凛道蓮をしながら菅原凛の問題をうまく解決できる余裕が私にはない。
今ならわかるかもしれない。
(軒猿を頼った子達の気持ち・・・)
「・・・・・・・・・僕も頼ろうかな。」
「へぇ~俺に依頼?なんの?」
「小林涼子ちゃんの救出依頼。」
「それじゃあ―――――――・・・・・?」
物事には優先順位がある。
今はまず、涼子ちゃんが先よ。
「俺の話にのってくれるんだな?」
「君が悪い人に見えなくなってきたからね・・・」
「じゃあ、いくぞ。一撃入れるから・・・わかってるよな。」
「わかってます。」
真顔で聞かれ、真顔でうなずく。