彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「加減をお願いします。」
「わかってる・・・・・!」
私の言葉に、フッと軒猿が笑う。
それは一瞬の出来事。
「――――――――――――MAXでなっ!!」
「え?」
ビュオアア!!
すごい音がしたと思った。
風をきる音。
蹴り上げるスピードの速さを耳にする。
同時に傷みも知る。
キーン!!
「あうっ!?」
身体全体に走る強い衝撃。
どう考えても手加減なんかじゃない、お芝居なんかじゃない。
蹴りが入る。
それも―――――――――
「こ、股間・・・・!?」
「あはははははは!!バカめ!!」
それにより、持っていたトンファーが両手から落ちる。
前のめりになる身体。
「馬鹿じゃねぇの!?信じるか、普通!?」
その視界のはしで見たのは、愉快な顔で私を笑いものにしている忍者の姿。
それで鈍い私も気づく。
「う・・・嘘をついたんですか・・・!?」
「ぎゃははははは!大正解~!!やられるふり作戦はな?」
ドスっ!
「ぐっ!?」
そのまま手とうが首に入る。
それで完全に体が倒れた。
ドサッ!!
「金額が二倍になるんだぜ!?誰が諦めるかよ!?」
あざ笑いながら言われる。
その声は、ジンジンとしびれる股間によくひびいた。
「ひ・・・きょう・・・・!」
「はあ!?何でもありって言っただろう!?後はお前を縛り上げれば終わりだ!」
(卑怯だ。)
良い人のふりして、真実と一緒に嘘の証言をした。
瑞希お兄ちゃんは言った。
ついていいウソもあると。
(でもこれは―――――――)
「もしもし、終わりました。」
うつ伏せで動かない私の側で、自慢げに軒猿が誰かに電話している。
「ええ、すぐ来てください。回収はお任せします。もちろん、現金の一部先払いもよろしく。」
(軒猿のしたことは。)
「龍星軍の頭が素直な馬鹿で助かったぜ。湯水のごとく遊べる。手術もできる。いや、その前に、どっちの性別にするか決めないとなぁ~はははははは!」
(しちゃいけないウソをついた。)
「おっと!こいつのトンファーも回収して・・・へぇ、改造物か?頂いておくか。」
そう言いながら、私へと近寄ってくる気配。