彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





「涼子ちゃんですよ、軒猿!」

「え?あ~あの子ね・・・」

「あ~じゃないですよ!!うっかり、置き去りにしたじゃないですか!?」





よりによって、拳銃を乱射する女のところに1人残してきて~~





「涼子ちゃんが殺されるぅ!戻らないと!!」

「コ、コラ、あばれるな!」





肩に担いでいる私が暴れたことで、バランスを崩す軒猿。





「離して、降ろして!」

「ばか!落ち着けって!小林涼子なら大丈夫だ!」

「どこが!?涼子ちゃんは非戦闘員なんですよ!?僕らとは違うんだぞ!?」

「それは俺も知ってるよ!そんなにあわてなくても、小林涼子なら、今すぐ返してやるから!」

「今すぐぅ!?」

「だから大人しくしろ!」





それで動きを止める私。





「今すぐって・・・あの金庫、何か忍者のからくりがあるんですか!?忍術でここまで持ってこれるんですか!?」

「そんな技があれば、こんなバイトしてねぇーよ!ほら。」





そう言って差し出したのは。





「携帯?」





うさぎのマスコットのついた可愛いスマホ。

キョトンとする私に、続けざまに軒猿は言った。





「約束の『小林涼子』だ。」

「はあ!?これのどこが涼子ちゃん!?」

「『小林涼子の持ち物』は、『小林涼子』だろう?」

「え!?どういうこと!?『涼子ちゃんをさらった』んだろう!?」

「だーかーら!さらったって。俺は『小林涼子の持ち物をさらった』んだ。」





そう言われて気づく。




「まさか・・・・!?」

「誰も、『人間の小林涼子をさらった』なんて、一言も言ってないだろう?」

「ああ~~~~!?だましたんですね!!?」





(涼子ちゃん自身を誘拐したんじゃなくて――――――――――!?)





「『涼子ちゃんの携帯を盗んだ』んですか!?」

「ないのに気づいて、使用停止の手続きしてなきゃいいけどな。」





なにそれ!?




「君は一休さんかー!?」




とんちもいいところじゃない!?



〔★忍びが一枚上手だった★〕




< 302 / 453 >

この作品をシェア

pagetop