彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「涼子ちゃんですよ、軒猿!」
「え?あ~あの子ね・・・」
「あ~じゃないですよ!!うっかり、置き去りにしたじゃないですか!?」
よりによって、拳銃を乱射する女のところに1人残してきて~~
「涼子ちゃんが殺されるぅ!戻らないと!!」
「コ、コラ、あばれるな!」
肩に担いでいる私が暴れたことで、バランスを崩す軒猿。
「離して、降ろして!」
「ばか!落ち着けって!小林涼子なら大丈夫だ!」
「どこが!?涼子ちゃんは非戦闘員なんですよ!?僕らとは違うんだぞ!?」
「それは俺も知ってるよ!そんなにあわてなくても、小林涼子なら、今すぐ返してやるから!」
「今すぐぅ!?」
「だから大人しくしろ!」
それで動きを止める私。
「今すぐって・・・あの金庫、何か忍者のからくりがあるんですか!?忍術でここまで持ってこれるんですか!?」
「そんな技があれば、こんなバイトしてねぇーよ!ほら。」
そう言って差し出したのは。
「携帯?」
うさぎのマスコットのついた可愛いスマホ。
キョトンとする私に、続けざまに軒猿は言った。
「約束の『小林涼子』だ。」
「はあ!?これのどこが涼子ちゃん!?」
「『小林涼子の持ち物』は、『小林涼子』だろう?」
「え!?どういうこと!?『涼子ちゃんをさらった』んだろう!?」
「だーかーら!さらったって。俺は『小林涼子の持ち物をさらった』んだ。」
そう言われて気づく。
「まさか・・・・!?」
「誰も、『人間の小林涼子をさらった』なんて、一言も言ってないだろう?」
「ああ~~~~!?だましたんですね!!?」
(涼子ちゃん自身を誘拐したんじゃなくて――――――――――!?)
「『涼子ちゃんの携帯を盗んだ』んですか!?」
「ないのに気づいて、使用停止の手続きしてなきゃいいけどな。」
なにそれ!?
「君は一休さんかー!?」
とんちもいいところじゃない!?
〔★忍びが一枚上手だった★〕