彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「噂通りだけど、噂と違うな・・・凛道蓮。」
「え?」
「まぁいいさ・・・・・けど、これでわかっただろう?黒幕?」
「わかるにはわかりましたが・・・ちょっと・・・・」
(頭がついてこない・・・!)
だって、あの女性の言うことが正しいなら――――――――
(彼女が伊吹陽翔の恋人だったってことになるのよね・・・?)
そうなると、矛盾が生まれる。
伊吹陽翔は龍星軍を大事にしていた。
瑞希お兄ちゃんを慕っていた。
恋人ならそれを知らないはずがない。
(ましてや、自分の愛した人が大切にしていた龍星軍に迷惑かけようとしたり、死ねとか言ってきたりする??)
「なんなんですか、あの人?」
とりあえず、事情を知ってそうな人に聞く。
それで、軒猿の視線が私へと戻る。
「真田瑞希から聞いてないのか!?」
「・・・伊吹陽翔さん関係は、デリケートな話なので・・・」
「なるほど・・・!そうだな・・・あんたなら、聞けなさそうだ。・・・・・・・いいぜ、教えてやる。」
私の返事にため息をつくと、軒猿は言った。
「あいつの名前は『九條アキナ(くじょうあきな)』。龍星軍、2代目総長、伊吹陽翔の彼女だった子だ。」
「え!?あの人の言ったことは本当だったんですか!?」
「信じてなかったのか?」
「そうじゃないですが・・・信じたくない内容と言いますか・・・」
あの人が、うわさの伊吹陽翔の・・・・
「真田瑞希さんが大好きだった人の彼女だなんて・・・聞いてた話と合いませんから・・・」
「・・・そうかもな。」
わからない。
「どうして、彼女は瑞希お兄ちゃんを恨んでるんです!?」
死ねとほざく意味がわからない。
「どうしてこんなことをするんです!?賞金まで出して、金額だって――――――お金持ちのお嬢様なんですか!?」
「いいや。ごく普通の中流家庭の子供だった。」
「『普通だった』?」
普通・・・・
―凛君―
その言葉で思い出す。
「あー!?そうだ涼子ちゃん!」
私がこんなところまで来た意味を。