彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
後ろめたい気持ちになっている私を、何も知らない軒猿が呼ぶ。
「こっちだ、凛道!来い!」
「信じていいんですか?嘘が上手な忍者さん?」
「軒猿って言え!お前も見ただろう、あの女がしたことを!?鉛玉、ぶっ放してきただろう!?」
「目撃はもちろん、両手と左足に証拠がありますね。」
「あの女、俺もろともお前も消す気だぜ!協力し合った方が生還できる確率が高い時に、だまし合いなんかするかよ!?」
「そんなに危険なんですか、彼女は?」
「ああ、なんせあの女~!」
「見つけたぞ!!」
「え?」
「しまった!」
野太い声と、私の間抜けな声と、軒猿の鋭い声が重なる。
「―――――――――――伏せろ凛道!」
「へ?」
パンパンパン!
「ぎゃー銃刀法違反!?」
「アキナの配下だ!」
間一髪!
軒猿がかばってくれたおかげで、銃弾に当たらずに済んだ。
〔★軒猿に協力する気はあるらしい★〕
パーン、パーン!
パンパンパン!!
(いやぁぁぁぁ~~~~!!)
やまない銃弾。
壁に身を隠しつつ、事情を知っているはずの忍者に聞いた。
「なんです、あの人達!?」
「スポンサー・九條アキナの部下だ。」
「部下!?ヤクザみたいなんですけど!?」
「ああ、ヤクザだ。」
「マジですか!?どういう人脈!?」
「話は後だ!」
シュッ!
そう言うと導線のついた球体を懐から出す軒猿。
「凛道伏せろ!」
「え?」
再度そう言うと、手にした球体を、大きく振りかぶって投げる軒猿。
それは発砲している連中のいる方へと投げ込まれた。
ブーン!
ドドーン!!
「「「ぎゃあああ!?」」」
途端に、辺りは火花と煙が充満する。
「わあー!?」
「今だ!来い!」
手をつかまれ、誘導される。
「い、今のは!?」
「焙烙玉(ほうろくだま)だ。」
「ほうろくだま??」
「火薬は軽めにしてるが、爆弾だ。」
「そんなもの持ち歩いてるの!?」
「忍者だからな。飛び道具は、持ってて当然だろう?」
「ちょっと待って!それじゃあ、僕と戦ってる時も~あんな爆弾を持ったまま戦ってたんですか!?」
「戦闘中に誤爆させるヘマはしない。万が一を考えてのお守りだ。」
「僕を消す時のためですか!?」
「アホか!だれが44,444,444円を火葬するか!?」
そう言いながら、煙の晴れた視界で、私から手を離す軒猿。