彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





「じゃ、じゃあ、続けます!」



咳払いすれば、瑞希お兄ちゃんが円城寺君から手を離す。

それで円城寺君は、パッと瑞希お兄ちゃんから離れる。

背を向けてしまう。

それが気になったけど、瑞希お兄ちゃんの睡眠の方が大丈夫なのでスルーして言った。



「えーと・・・補佐なんだが・・・・」



気まずい空気の中、出来るだけ男らしい口調で告げる。



「初代をベースにしてきたんだが、人数が約2倍になったこともあって補佐を作ることにした。俺の代から新しく作る役職だ。」

「うははははは!あと1人入れば、2倍やなぁ♪」

「細かいこと言うんじゃねぇ、五十嵐!」

「ウェイウェイウェイ!これ以上変な奴はいらない系!?」

「それ、テメーもカウントに入ってんだぞ?」



よどんだ空気を戻そうと、選ばれた人達が、頑張ってくれた。



「大河、平気か?」

「補佐もいいじゃんか?俺、カンナと組みたいわ。」

「あれ~長谷部君、カンナちゃん気にしてる~?」

「なわけあるか、馬鹿忍者!」



選ばれなかった人達も明るくしてくれてるが・・・





「・・・。」





円城寺君だけ、やっぱり機嫌が直ってない。





(ここで、あんな殺伐とした円城寺君の名を呼ぶのは嫌だけど~・・・・)





しかたない。

言うことは言わなきゃダメ。





「円城寺大河君。」

「・・・・おう。」





呼んだら、意外とすんなり返事をしてくれた。

でも、私には背を向けたまま。

それでも返事が返ってくるだけ、マシだと思って言った。



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