彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)





「な、なんで、見てないのに、位置がわかったんだ!?」

「のぞかれたお姉さんのおかげだよ!女性用のシャンプーのにおいが染みついてるぞ、のぞき魔!!」



いまいましそうにする相手に、私も違った意味でイラッとする。



(くそ!下駄になれてないせいで、的をはずした!!)





顔を蹴り飛ばせば、一発KOだったのに!!





「オラ!」





そう思ったら、のぞきがタックルしてきた。





「わっ!?」

(ヤバい!?)





本能で察し、後ろに飛ぶ。

独特のフォームに、何かの格闘技だと察する。





(組み合うのは危険だわ!!)






「くらえ!!」






だから、飛び道具を使った。






「今は亡き、水木しげる先生に捧げる――――――――――!!」







廊下に着地すると、もう一度飛び上がりながら利き足を前にふった。

サッカーボールをけるように動かす。






「なんちゃって、『リモコン下駄』――――――――――――――――――!!」



パッコーン!!

「ぶあ!?」





〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕
リモコン下駄:水木しげる先生の漫画『ゲゲゲの鬼太郎』の主人公・鬼太郎が使ってる下駄の武器のことだよん♪





今度は見事顔面に命中。





「やりやがったな!?」

「きいてないか・・・」





〔★だけど効果は低い★〕





「やりますね・・・」





(のぞきっていうから、ひょろっこいかと思ったけど、体格いいじゃない?)





というか、経験上――――――――――





「のぞきさん、ヤンキーでしょう?」

「お前は金持ちの坊ちゃんだろう!?」

「違います。」





私は否定したけど、相手は否定しない。





「痛い目に合いたくなかったら、着てる物を脱げ!」





そう言いながら、ナイフを取り出す始末。





「・・・・あんたみたいなやつがいるから、チャンプロードが休刊するんだ。」

「な!?なんでお前みたいなパンピーが、そんなこと知ってるんだ!?」





〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕
チャンプロード:ヤンキーボーイ&ガールが呼んでいる不良のための雑誌で、2016年に休刊しちゃった雑誌だよん♪



< 95 / 453 >

この作品をシェア

pagetop