彼は高嶺のヤンキー様4(元ヤン)
「な、なんで、見てないのに、位置がわかったんだ!?」
「のぞかれたお姉さんのおかげだよ!女性用のシャンプーのにおいが染みついてるぞ、のぞき魔!!」
いまいましそうにする相手に、私も違った意味でイラッとする。
(くそ!下駄になれてないせいで、的をはずした!!)
顔を蹴り飛ばせば、一発KOだったのに!!
「オラ!」
そう思ったら、のぞきがタックルしてきた。
「わっ!?」
(ヤバい!?)
本能で察し、後ろに飛ぶ。
独特のフォームに、何かの格闘技だと察する。
(組み合うのは危険だわ!!)
「くらえ!!」
だから、飛び道具を使った。
「今は亡き、水木しげる先生に捧げる――――――――――!!」
廊下に着地すると、もう一度飛び上がりながら利き足を前にふった。
サッカーボールをけるように動かす。
「なんちゃって、『リモコン下駄』――――――――――――――――――!!」
パッコーン!!
「ぶあ!?」
〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕
リモコン下駄:水木しげる先生の漫画『ゲゲゲの鬼太郎』の主人公・鬼太郎が使ってる下駄の武器のことだよん♪
今度は見事顔面に命中。
「やりやがったな!?」
「きいてないか・・・」
〔★だけど効果は低い★〕
「やりますね・・・」
(のぞきっていうから、ひょろっこいかと思ったけど、体格いいじゃない?)
というか、経験上――――――――――
「のぞきさん、ヤンキーでしょう?」
「お前は金持ちの坊ちゃんだろう!?」
「違います。」
私は否定したけど、相手は否定しない。
「痛い目に合いたくなかったら、着てる物を脱げ!」
そう言いながら、ナイフを取り出す始末。
「・・・・あんたみたいなやつがいるから、チャンプロードが休刊するんだ。」
「な!?なんでお前みたいなパンピーが、そんなこと知ってるんだ!?」
〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕
チャンプロード:ヤンキーボーイ&ガールが呼んでいる不良のための雑誌で、2016年に休刊しちゃった雑誌だよん♪