契約婚で嫁いだら、愛され妻になりました
昨夜も何事もなく終わった。
帰りはタクシーを使い、乗り場まで梨々花が付き添ってくれていたから安心できた。
鈴音は朝から日記帳を眺めていた。
二十歳頃から欠かさずつけている日記には、山内のことは一切触れていない。
日記につけたら、ずっと残る。思い出したくないことだから、敢えて筆を取らないようにした。
どうか、このまま本当になにもなかったかのように、時間が過ぎていってほしい。
そう願っていたところに、携帯が音を上げた。
(朝から誰だろう? 佐々原さんかな?)
鈴音は、シフト変更かなにかの連絡かと、佐々原を予測して携帯を拾い上げる。
「え……?」
想像と違う展開に、思わず神妙な面持ちで携帯を見つめる。
ディスプレイには、登録していない番号が表示されていた。
(これって……もしかして)
嫌な予感しかしない。真っ先に浮かんだのは、今、最も恐れている相手、山内。
鳴り続ける電話に恐怖を感じ、枕の下に押し込める。
(なんで番号まで!)
心臓がドクドクと心地悪く騒ぐ。しばらくすると、着信音も止み、部屋には静寂が訪れた。
「信じられない……」
鈴音はぽつりと呟く。その後、家を出る時間ギリギリまで、携帯には触れる勇気が出なかった。
帰りはタクシーを使い、乗り場まで梨々花が付き添ってくれていたから安心できた。
鈴音は朝から日記帳を眺めていた。
二十歳頃から欠かさずつけている日記には、山内のことは一切触れていない。
日記につけたら、ずっと残る。思い出したくないことだから、敢えて筆を取らないようにした。
どうか、このまま本当になにもなかったかのように、時間が過ぎていってほしい。
そう願っていたところに、携帯が音を上げた。
(朝から誰だろう? 佐々原さんかな?)
鈴音は、シフト変更かなにかの連絡かと、佐々原を予測して携帯を拾い上げる。
「え……?」
想像と違う展開に、思わず神妙な面持ちで携帯を見つめる。
ディスプレイには、登録していない番号が表示されていた。
(これって……もしかして)
嫌な予感しかしない。真っ先に浮かんだのは、今、最も恐れている相手、山内。
鳴り続ける電話に恐怖を感じ、枕の下に押し込める。
(なんで番号まで!)
心臓がドクドクと心地悪く騒ぐ。しばらくすると、着信音も止み、部屋には静寂が訪れた。
「信じられない……」
鈴音はぽつりと呟く。その後、家を出る時間ギリギリまで、携帯には触れる勇気が出なかった。