清廉の聖女と革命の鐘
「おい、クラウディオ。そんな悠長なことしてられなさそうだぜ」
割って入ってきた声は少し焦ったように聞こえた。
「まさかもう?まずいな。クリスティーナ王女殿下を奴らに見つかる前にエルヴィン様のもとに連れていく計画だったのに…。
ミカ、エルヴィン様にはもう伝達したか?」
「うん!もうとっくのとうにね!」
嬉々と答える少年にクリスティーナは目を瞬かせた。
「…伝達?どういうことですか?奴らとは?あなた方以外にも誰かが島に?計画とはいったい何なのです?」
クリスティーナは無意識のうちにブルーノより前に出ていた。
「聖女様!」
彼の自分を止める声も耳に入らない。頭が混乱する。
わからない…。いったいこの島で何が起こっているの?
一度考え出すと止まらない。
だいたい、彼らはどうやって結界を壊したの?それに、彼らの口ぶりから察するに、この人たちは“奴ら”をあまり好ましく思っていない様子。なら敵?ヴァイスブルグ帝国の他にも島に進入してきたものがいるってこと!?
未だ激痛の走る頭では、思考がまとまらず、そればかりかだんだんと視界が揺らいで目眩までしてきた。
「クリスティーナ様!落ち着いてください!」
唐突に腕をひっぱられ、体力を消耗しきった身体は抵抗するまもなくストンと彼の胸に背中をつけた。